Ethernet技術コラム

車載Ethernet PHYとは?

車載Ethernet製品とは

現在、車載Ethernet用途にリリースされている製品は、主に
 ・PHY
 ・Switch
があります。それぞれの持つ機能は、下記の通りです。
 ・PHY:アナログ信号⇔デジタル信号変換を行います。
 ・Switch:入力されてきた信号に対して処理を行い転送します。
なお、PHY/Switchは、それぞれOSI参照モデルのLayer1/Layer2に該当する製品です。(下図)
ここではPHYについてご紹介します。

OSI参照モデル:

車載EthernetPHYとは

前段で述べた通り、PHYはアナログ信号とデジタル信号の変換を行います。
車載Ethernetで用いられるPHY(車載Ethernet PHY)の内部構成及びそれぞれの役割は、下記の通りです。

MDIとは (技術コラム) MDIOとは (技術コラム) MIIとは (技術コラム)
名称 役割 関連I/F
PMA
(Physical Media Attachment)
PMA:シリアル⇔パラレル変換 MDI
PCS
(physical coding sublayer)
信号変換(データの符号化/復号化) MII
Management PHYパラメータ設定/制御 MDIO

PMA (Physical Media Attachment)とは

PMAの役割はPCSおよびMDI間のブリッジです。
具体的には、下記の通りです。
 ・MDI⇒PCS時:MDIからの電気信号を信号変換しPCSへ伝達
 ・PCS⇒MDI時:PCSからの信号を電気信号変換しMDIへ伝達
PMAにはその他、
 ・PAM3:3B/2T変換データ(後述)をMDI信号として送信
 ・Auto Negotiation:通信方式の自動選択
といった機能があります。

Auto Negotiation(オートネゴシエーション)とは (技術コラム)

双方のPHYが複数の通信方式に対応しており、
かつオートネゴシエーションが有効になっている場合、
自動的に最適な通信方式を選択する

PCS (physical coding sublayer)とは

PCSの役割は通信先であるMACとPMA間のブリッジです。
具体的には、下記の通りです。
 ・MDI⇒PCS時:MDIからの電気信号を信号変換しPCSへ伝達
 ・PCS⇒MDI時:PCSからの信号を電気信号変換しMDIへ伝達
PCSにはその他、
 ・3B/2T:3Bitデータを2つの3値(1,0,-1)に符号化
 ・4B/3B(100BASE-T1):4Bitデータ⇔3Bitデータに変換
 ・80B/81B(100BASE-T1):80Bitデータ⇔81Bitデータに変換
といった機能があります。

MDIとは (技術コラム)

Managementとは

Managementの役割はPHYに対して制御を行うことです。
具体的にはPHY内部にあるレジスタ設定のRead/Writeを行います。

MDIOとは (技術コラム)
お問い合わせ
ネクスティ エレクトロニクスでは車載Ethernet規格に準拠したEthernet PHY/Switchデバイスを取り扱っています。
詳細のお問い合わせは下記のボタンよりお願いいたします。