車載Ethernet Switchとは | Ethernet(イーサネット)技術コラム
車載Ethernet Switch とは
車載Ethernet Switchとは、ECUやセンサ、カメラ等とつながるための複数のPortを持ち、 それらと相互に接続することによってネットワークを構築するデバイスです。
相互接続のためにMACフレームを用いて通信、または転送制御し、自動車に求められる通信品質の確保が出来るよう設計されています。車載Ethernet SwitchはOSI参照モデルLayer 2の役割があり、車載Ethernet PHYに対して一つ上位のレイヤを扱います。
車載Ethernet Switchで実施する処理
車載Ethernet Switchの主な機能として、受信したフレームの確認→フレームの種類に応じて転送します。
車載Ethernet Switchで用いるフレーム
車載Ethernet Switchでは、Ethernetフレームの内容を確認し、内容に応じて転送実施します。
この転送処理を実施するためのフレーム構成は、以下のようになっています。
*フレーム構造の詳細については Ethernetフレーム(技術コラム)をご参照ください。
・Preamble :同期を取るための先頭信号
・SFD :フレーム開始を示すエリア
・TPID :タグの有無を示すエリア
・TCI :優先度やVLAN番号格納するエリア
・Type :プロトコル(IPv4等)を指揮月するエリア
・FCS :エラー検査に使うエリア
車載Ethernet Switchが扱う転送方式
通信するデータの種類によって、通信相手の数が異なるため、転送方式が分けられています。
ユニキャスト
1台の宛先を指定してデータ転送する方式。
マルチキャスト
複数の宛先を指定してデータ転送する方式。
ブロードキャスト
不特定多数(全宛先)にデータ転送する方式。
宛先MACアドレスがFF:FF:FF:FF:FF:FFの時に実行されます。
*MACアドレスとは、ネットワーク接続機器が持つ固有の識別子です。
車載Ethernet Switchの通信品質向上のための機能
車載Ethernet Switchでは、通信品質向上のため、「VLAN」、「QoS」、「ACL」と呼ばれる機能があります。
VLAN
物理的に接続されているネットワークを、仮想的に区切ったり、まとめたりします。
これにより、ネットワークのセキュリティレベルが上がり、混雑を軽減できます。
QoS
QoS(Quality of Service)は、パケットの優先度に応じて優先制御や帯域制御を行います。
ACL
ACL(Access Control List)は、通信アクセスを制御するためのリストです。
任意のフレームを通過/破棄を決めます。
VLANイメージ
QoSイメージ
ACLイメージ
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