Ethernet技術コラム
Ethernetの各機能の設定および、状態確認

レジスタアクセス手法のClause22/Clause45とは?

レジスタにアクセスすることによって、レジスタ値を読み取ったり、更新したりできます。
前回のコラムでは、MDIOは車載Ethernet規格(IEEE802.3)のClause 22およびClause 45で定義されていることをお伝えしました。 本コラムでは、Clause 22とClause 45の詳細および、違いついて解説します。

動作原理

レジスタアクセス

MDIO及びMDCの2本のシリアルバスを用いて各種設定を行います。 レジスタにアクセスすることによって、例えば、 オートネゴシエーションMACsecTC10、SQI(通信品質)など、各設定の状態を確認したり変更したりできます。各種機能については、リンク先で解説していますので、ぜひご覧ください。

レジスタアドレス

各レジスタビットには0もしくは1の情報を保存することができます。保存情報によって機能設定や状態の確認が可能です。

オートネゴシエーションとは? | オートネゴシエーション(Auto Negotiation)について解説します。 MACSECとは? | MACSEC(Media Access Control Security)について解説します。 TC10とは? |TC10(OPENALLIANCE規格)について解説します。

Clause 22

Clause 22については、前回のコラムの一例として説明します。また、電源電圧は5Vのみサポートしています。

Clause 45

Clause 22との大きな違いは、レジスタへのアクセス方法です。1フレーム目でアドレスフレームを送信し、2フレーム目でRead/Writeオペレーションを指定します。これによって、65536個のアドレスにアクセスできるようになります。その他にも、電源電圧は1.2Vをサポートしています。また、Clause 45は、Clause 22の上位互換であり、相互運用が可能です。

MDIO 電気的インターフェース

Clause22デバイスでは、VDDが5V、Clause45デバイスではVDDが1.2Vのように、電気的インターフェースは異なります。
Clause22デバイスとClause45デバイスを接続する際には、プロトコル対応の電圧変換デバイスが必要です。ただし、Clause22-registerを持つClause45ならば、変換デバイスは不要です。
変換デバイスは、Clause22デバイスとClause45デバイスのMDIOラインおよび、MDCラインを同じ状態で駆動させる必要があり、Clause22デバイスのPHY addressを認識する必要があります。
Clause45デバイスがST=00のフレームを駆動した場合、Clause22デバイスは無視されます。

※STA: Station Management Entity
 MMD: MDIO Management Device
 PU: Pull-Up Register

まとめ

本コラムでは、Clause 22およびClause 45の詳細および、違いついて解説しました。Clause 22とClause 45は、規格として異なる点がありますが、これらを使用すると機能を設定したり、状態を確認したりすることができます。

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