Ethernet技術コラム

MACSECとは

MACSEC(Media Access Control Security)とは

MACSECとは、IEEE802.1AEで定義されたLayer2(MAC: Media ⁄ Medium Access Control)の保護を目的としたセキュリティプロトコルです。
MAC Layerでのフレームにおけるユーザーデータの暗号化を行うことが特徴です。
End point間をセキュリティ対象としたLayer3のIPSECとは異なり、MACSECはセキュリティ対象がMAC Layerに限定されているため、暗号化される領域は、端末-スイッチ間、といった特定のノード間の通信が対象となります。(下図)
IPSECと組み合わせることにより、セキュリティの向上が見込まれます。

MACSECのフレーム構成

MACSECに用いられるフレーム構成は、下記の通りです。
通常のEthernetパケットにMACSEC用のパラメータ(オレンジ)が追加されます。

MACSECのフレーム構成パラメータ

MACSECで用いられるパラメータの概要は、下記の通りです。

Parameter 内容
MACSEC
Ether Type
MACSEC用のEther Typeを設定
設定値は「0x88E5」であり、設定することで
後続のフレームがMACSECフレームであることを示します
TCI/AN Tag Control Information ⁄ Association Number
暗号化PayloadやVersion番号等の情報が1Bitごとに配置されています
  • TCI 6Bit、AN 2Bitの配置です
SL Short Length
暗号化されたデータ長を示します
PN Packet Number
MACSECパケット送信時にPNを付与、パケット送信ごとにPNを1ずつインクリメントする
これにより外部からの同じフレームの繰り返し送信(Replay攻撃)を防止する
SCI Secure Channel Identifier
8 バイトのセキュアチャネル識別子を使用して、トラフィックがどのセキュリティアソシエーションに属しているかを識別できます
  • TCI内のSC BitがTrueの場合に拡張されます(Option)
ICV Integrity check value
MACSEC用のCheck Sumです

MACSECの暗号化概要

MACSECの暗号化では、暗号鍵が用いられ、MKA(MACsec Key Agreement protocol)と呼ばれるIEEE802.1Xに含まれるプロトコルにより必要な暗号鍵の提供 ⁄ 管理を行います。
フレーム中のセキュリティ タグ (Security TAG) で、プロトコルおよび受信フレームの検証に使用されるキーを識別します。
Secure dataが、暗号化されたユーザーデータに該当します。

易しい
難しい

本アンケートは、Googleフォームを使用しています。匿名のアンケートで、個人情報が取得されることはありません。
記入いただいた内容は、本コンテンツの改善目的のみに使用します。
個別で返信をご希望される場合は、ページ下部の「お問い合わせはこちら」よりお問い合わせください。

お問い合わせ
ネクスティ エレクトロニクスでは車載Ethernet規格に準拠したEthernet PHY/Switchデバイスを取り扱っています。
詳細のお問い合わせは下記のボタンよりお願いいたします。