多数同時接続のユースケース
スマート農業
5Gの多数接続は、膨大な数のセンサーやデバイスを同時に接続し、データを高速で送受信することが可能です。これにより、スマート農業などのIoT環境が実現できます。
スマートシティ
5Gの多数接続は、都市全体のインフラや公共サービスに接続された様々なデバイスやセンサーと高速で通信することができます。これにより、交通管理、環境モニタリング、エネルギー効率化などのスマートホーム ⁄ スマートシティの構築が可能になります。
5G通信とは、第5世代の無線通信方式のことであり、5G通信の特徴は、超低遅延通信、超高速通信、多数同時接続です。
具体的な特徴は、それぞれ下記の通りです。
ネットワークを仮想的に分割し、⽤途に応じてデータサイズやデータ伝送経路をダイナミックに変更できる技術で、「ベストエフォート」から「⽤途に応じたQoS制御」となります。
5Gは、「超高速通信」「超低遅延通信」「多数同時接続」という特徴を持っています。
これらの特徴を活かして、4K ⁄ 8K高精細映像やAR ⁄ VRを活用した臨場感のある映像の伝送、また、自動運転サポートや遠隔医療などを実現し、様々なサービス、産業で活躍の場を広げていきます。
5G通信の3つの特徴については、本ページ下部で解説します。
スマート農業
5Gの多数接続は、膨大な数のセンサーやデバイスを同時に接続し、データを高速で送受信することが可能です。これにより、スマート農業などのIoT環境が実現できます。
スマートシティ
5Gの多数接続は、都市全体のインフラや公共サービスに接続された様々なデバイスやセンサーと高速で通信することができます。これにより、交通管理、環境モニタリング、エネルギー効率化などのスマートホーム ⁄ スマートシティの構築が可能になります。
遠隔医療
超低遅延通信は、医療機器やロボットと医師との間で高速でリアルタイムの通信を実現し、遠隔地からのリモート手術を可能にします。これにより、医師は手術を行うために物理的に現地にいる必要がなくなります。
自動運転
超低遅延通信は、自動運転車と交通インフラや他の車両との間で高速でリアルタイムのデータ通信を可能にします。これにより、自動運転車は周囲の状況をリアルタイムで把握し、迅速に適切な判断を行うことができます。
仮想現実(VR)や拡張現実(AR)
超低遅延通信は、高解像度のVRやARコンテンツを高速で送受信し、リアルタイムでの体験を可能にします。これにより、リアルな仮想空間や拡張現実の体験が実現できます。
高画質ストリーミング
5Gの大容量通信は、高品質の動画や音楽などのメディアコンテンツを高速でストリーミングすることができます。これにより、高画質の動画配信やリアルタイムのゲームストリーミングなどが実現できます。
通信システム | 内容 | 通信速度 |
---|---|---|
1G | データ通信は不可 | ― |
2G | ダイヤルアップなどでメール送信が主流 | 数kbps |
3G ⁄ LTE | メールやWEBの閲覧が主流 | 数百kbps~数十Mbps |
4G | メール、WEBの閲覧に加えて、写真や動画の送受信 | 数1Gbps |
5G | 映画・動画のストリーミング通信 | 数10Gbps |
5G通信での高速通信を実現する技術として、高周波数帯域を利用した広域帯域での伝送とMIMOというアンテナの技術が使用されています。
複数のアンテナ(5G通信では最大128本)を用いて通信を行うことにより、同時に通信できるデータ量を増やす事を実現しています。
この技術により、複数端末が接続しても、通信の混雑が原因での通信速度遅延の発生を抑えることができ、各端末で快適な通信速度を維持することが可能となりました。
LTE通信と比べて、より広範囲の周波数帯を使用することが可能になりました。これにより、同時に多くのデータ通信を行うことが可能となりました。
5G通信での低遅延通信を実現する技術として、送信単位あたりの時間短縮や、従来は離れた拠点に設置されていたサーバーをより基地局に近い場所に設置するMEC(Multi-access Edge Computing)を使用して通信遅延の短縮を行っています。
5G通信では高い周波数帯までサポートするために複数の異なる変調方式であるOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)のサブキャリア間隔(15, 30, 60, 120kHz)が採用されています。その中で、従来の4Gでは15kHzであったサブキャリア間隔が、5G通信では120kHzなどの広いOFDMサブキャリア間隔を用いることにより、短い時間で同じ情報量を通信することができ、結果、5G通信全体の通信遅延を短くすることができます。
MECは、ネットワークのエッジ(端)にコンピューティングリソースを配置する技術となります。これにより、データ処理やアプリケーションの実行がユーザーに近い場所で行われるため、低遅延での通信が可能になります。
5G通信での多数同時接続を実現する技術として、端末と基地局の通信をシンプルにする「グラント・フリー」や、使用周波数帯域幅の狭小化などが使用されています。
通常では、端末と基地局間で通信を開始する際に、利用する周波数や通信時間などの情報のやりとりが行われ、その後に基地局が事前許可(グラント)を発行し、端末は基地局から許可された方法でデータ送信を行います。
グラント・フリーでは、基地局の事前許可(グラント)なし(=フリー)にデータ送信ができます。これにより、事前許可(グラント)の送受信などでの通信混雑を回避し、一つの基地局に多くの端末が同時にアクセスすることが可能になります。ただし、通信失敗のリスクが発生しますが、再送信の仕組みも併せて設計されているため、そのリスクは低減されます。
5G通信での多数同時接続端末として、スマートメーター、センサ、工業ロボットなどが想定されています。これらは、一般的に通信データ量が少ないことが特徴です。そのため、使用周波数帯域幅を狭小化し、LTE-AdvancedのNB-IoT、eMTC(enhanced MTC)の拡張で多数の端末を同時接続することを実現しました。(注:広帯域化よる高速通信技術とは両立しません)