電源サージのクランプ特性に優れたTVSダイオード "XClampR™"のご紹介 | Vishay
- TVS
- クランプ電圧
- TVSダイオードの選定
- 10/1000us
TVSダイオード概要
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TVSダイオードとは?
TVSダイオードとは、ツェナーダイオードの一種ですが、この中でも電源ラインに発生するさまざまなサージ(車載のロードダンプサージ等)を本デバイスで吸収・消費します。
これにより、サージ波高を低減し、後段回路を保護することに特化したダイオードが、TVSダイオードです。 -
TVSダイオードの代表的な電気的特性
VWM(スタンドオフ電圧): TVSダイオードがサージクランプ動作をしない電圧
VBR(ブレイクダウン電圧):TVSダイオードがサージクランプ動作を開始する電圧
IPP(サージピーク電流):TVSダイオードに流れるサージ電流のピーク値
VC(クランプ電圧):TVSダイオードに上記のサージピーク電流が流れたときの最大端子出力電圧
TVSダイオードの選び方
適切なTVSダイオードの選定には、主に吸収すべきサージの極性(正or負)、クランプ特性、耐電力の検討が必要です。
サージの極性
TVSダイオードに印加されるサージ電圧が正のみ、または単一方向であればUniDirectional品、正負両方であればBiDirectional品の選定が必要です。
クランプ特性
上記電気的特性値が、ユーザーの要求仕様を満足していることが必要です。
TVSダイオードの代表的な電気的特性
TVSダイオードに印加される電流波形を、図(画像)のようなデータシート記載の10/1000us波形に換算します。
この電流波形とデータシート記載の電力vs時間グラフ等と照らし合わせて、耐電力の妥当性を検討します。
VishayのTVSダイオード
Vishayの標準的なeSMPパッケージTVSダイオードの、代表的なラインナップは下記の通りです。
Vishayの標準的なTVSダイオードには、「最大500V近いVBRに対応するインダストリアル用途に対応するTRANZORBシリーズ」と、「185度のジャンクション温度保証で車載用途に対応するPARシリーズ」があります。
より詳細な、eSMPパッケージを含む詳細ラインナップは、下記リンク先からご参照ください。
Vishayは、標準的なTVSダイオードのTRANZORB, PARに加え、xClampR™ TVSをリリースしました。
標準(Conventional)TVSではVBR<VCとなりますが、XClampR™ TVS はスナップバック特性も持っているため、VBR≒VCとなります(下図)。
このため、サージクランプ電圧を標準 TVS より低く抑制でき、TVSが保護する部品の耐圧/コストを下げることができます。
現状のラインナップは下記3製品です。
PARAMETER | SYMBOL | XMC7K24CA | XLD5A24CA | XLD8A24CA |
Maximum working stand-off voltage | VWM | 24V | ||
Breakdown voltage | VBR | 26.7V to 29.5V | ||
Maximum clamping voltage | VCL_max | 24V | 26V | 26V |
Maximum peak pulse power | PPPM(10us/1000us) | 7000W | 7700W | 11000W |
PPPM(10us/10000us) | 1200W | 4600W | 7000W | |
Maximum peak pulse current | IPPM(10us/1000us) | 180A | 200A | 300A |
IPPM(10us/10000us) | 30A | 120A | 180A | |
Package | Package | DO-214AB | DO-218AB |
TVSダイオードは誘導負荷スイッチングや雷によって誘発される電圧過渡現象から敏感な電子機器を保護するように設計されていて、前述の通りPARシリーズはロードダンプをはじめとした車載用途、TRANZORBシリーズはインダストリアル用途を想定しています。
また、追加リリースされたXClampR™は、図のように標準TVSと直列接続してクランプ電圧を上げることで、下記のようなユースケースにも使用できます。
- 自動車のロードダンプ保護
- 48 V パワートレインの DC リンクコンデンサー保護
- ロボットアームおよび産業用途の駆動回路保護
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