S32K1の特徴
S32K1の特徴について説明します。
- ・ARM Cortex-M4F/M0+コア搭載
S32K1シリーズは、ARM Cortex-M4FおよびM0+コアを搭載しており、高度な演算処理やリアルタイム制御に対応しています。これにより、複雑な処理が必要な車載システムでも高いパフォーマンスを発揮します。Cortex-M4Fコアは、浮動小数点演算ユニット(FPU)を内蔵しており、複雑な信号処理や制御アルゴリズムを効率的に実行できます。Cortex-M0+コアは、低消費電力でありながら基本的な制御機能を提供します。
- ・CAN-FD対応
CAN-FDに対応しており、高速かつ信頼性の高いデータ通信を実現します。CAN-FD(Controller Area Network with Flexible Data-Rate)は、従来のCAN規格に比べてデータ転送速度が大幅に向上し、最大8 Mbpsの通信速度を実現します。S32K1のCAN-FDを使えば、車載ネットワークの効率の大幅な向上が期待できます。
- ・ハードウェアセキュリティーエンジン搭載
CCSEcハードウェアセキュリティーエンジンを内蔵し、データの保護とシステムのセキュリティを強化します。このセキュリティーエンジンは、暗号化処理や認証機能をハードウェアレベルで実行することで、データの改ざんや不正アクセスを防止します。
- ・機能安全対応
ISO 26262 ASIL-Bに対応しており、車載システムの機能安全を確保します。ISO 26262は、自動車の電気・電子システムにおける機能安全の国際規格であり、ASIL(Automotive Safety Integrity Level)はその中で安全性の重要度を示す指標です。
- ・超低消費電力設計
リーク電流を抑制した設計になっています。低消費電力モードを使用する事でトップクラスの低消費電力を実現します。