エッジAIを実現するAIアクセラレーター搭載
低消費電力MCU MAX78000シリーズ
アナログ・デバイセズのMAX78000シリーズは、低電力でエッジデバイス側でのAI(人工知能)処理を可能にし、マシンビジョンやオーディオ、顔認識などのアプリケーションをリアルタイムで処理することができます。
他の組込みソリューションと比較して、100分の1以下の電力でAIを駆動させることが可能です。
内部には2つのマイクロコントローラーコア(Arm Cortex-M4およびRISC-V)に、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)専用のアクセラレーターを搭載。これにより消費電力や待ち時間など、エッジでのAI推論処理における課題を解決します。
  • MAX78000 内部ブロック図

  • MAX78002 内部ブロック図

MX78002の特徴

  • デュアル・コア、低消費電力マイクロコントローラー

    • FPU内蔵Arm Cortex-M4プロセッサ:最大120MHz
    • 2.5MBのフラッシュ、64KBのROM、および384KBのSRAM
    • 16KBの命令キャッシュで最適化された性能
    • SRAM用のオプションの誤り訂正符号(ECC SEC-DED)
    • 32ビットRISC-Vコプロセッサ:最大60MHz
    • 最大60の汎用入出力端子
    • MIPIカメラ・シリアル・インターフェース2(MIPI CSI-2)コントローラV2.1:2つのデータ・レーンに対応
    • 12ビット・パラレル・カメラ・インターフェース
    • デジタル・オーディオ・インターフェース用のI2Sコントローラ ⁄ ターゲット
    • セキュア・デジタル・インターフェース:SD 3.0 ⁄ SDIO 3.0 ⁄ eMMC 4.51に対応
  • 畳み込みニューラル・ネットワーク(CNN)アクセラレーター

    • 畳み込みニューラル・ネットワーク(CNN)アクセラレーター
    • 200万の8ビット重み対応(1、2、4、および8ビット重み)
    • CNNデータ・メモリ:1.3MB
    • プログラム可能な入力イメージ・サイズ:最大2048 × 2048ピクセル
    • プログラム可能なネットワーク深度:最大128層
    • プログラム可能な層当りネットワーク・チャンネル幅:最大1024チャンネル
    • 1および2次元畳み込み処理
    • VGAイメージを30fpsで処理可能
  • セキュリティおよび完全性

    • セキュア・ブートが利用可能
    • AES 128 ⁄ 192 ⁄ 256ハードウェア高速化エンジン
    • 真の乱数発生器(TRNG)シード・ジェネレータ

活用事例1 ジェスチャーセンサー

  • MAX78000を使用したジェスチャーソリューション

  • ジェスチャーセンサーシステム例

    • システム構成図
    • 使用時イメージ画像
  • ジェスチャー ⁄ 形状認識処理時間比較

    判定処理H ⁄ W ジェスチャー(msec) 形状認識(msec)
    AIアクセラレータ 0.583 0.189
    CortexM4(100MHz) 11.3 3.28
    • Cortex M4コアと比較して20倍以上の高速処理が可能な結果が出ております。

活用事例2 顔認証システム

    • 特徴量抽出手法
      顔の特徴量を抽出する為のアルゴリズムにMTCNN[1]とFaceNet[2]を使用。
    • 後処理
      MTCNNとFaceNetから抽出された特徴量に基づいて一番近い特徴を持つモデルを推定します。
  • モデル処理

    Model #Param MAC Embedding Dim. Distance Metric MAX78000 MAX78002
    FaceNet 27.91M 962.9M 512 L2 No No
    Sequential 340.67k 59.07M 64 Cos Yes Yes
    MobileFaceNet 853.06k 371.3M 64 Cos No Yes

    (参考:Face Identification Using MAX78000

  • 参考資料

    • [1]Zhang, Kaipeng et al. "Joint Face Detection and Alignment Using Multitask Cascaded Convolutional Networks." IEEE Signal Processing Letters 23.10 (2016): 1499–1503.
    • [2]Schroff, Florian, Dmitry Kalenichenko, and James Philbin. "FaceNet: A Unified Embedding for Face Recognition and Clustering." 2015 IEEE Conference on Computer Vision and Pattern Recognition (CVPR) (2015)

活用事例3 異音検出システム

    • 入力デバイス:マイクロフォン
    • 推論結果:異音検出
    • システム特徴
      毎秒での音声キャプチャーと推論実施
      エッジAIベースの小規模開発なソリューション
  • 異音検出例

    • 銃声・ガラス割れ・サイレン

    • 落下検出

    • 蚊検出

活用事例4 異常検出システム

    • 入力デバイス:加速度センサー
    • 推論結果:異常検知
    • システム特徴
      エラーデータ不要で異常を検知することが可能なAIモデル
      エッジAIベースの小規模開発なソリューションが可能
      アナログデバイス社の加速度センサー、シグナルチェーンを使用して迅速にシステム開発と評価が可能です。
  • 異常検出例

    • 産業用モーターの異常監視システム