DCDCコンバータに求められる性能
一般に、車載分野や産業分野のアプリケーションは、厳しい環境で運用されます。特に、ノイズの影響を受けやすいアプリケーションの場合、小型、低ノイズ、高効率の降圧レギュレータ(DC/DCコンバータ)が必要になるはずです。そうしたケースでは、DC/DCコントローラICと外付けのパワーMOSFETを組み合わせるのではなく、より小型化が図れる降圧レギュレーター製品がよく選択されます。つまり、パワーMOSFETも集積した1パッケージ/モノリシックの降圧レギュレーター製品が使われるということです。なかでも、AM帯よりもはるかに高い2MHzのスイッチング周波数で動作するモノリシック・レギュレーターであれば、外付け部品についても小型のものを選択できます。加えて、最小オンタイム(TON)が非常に短い製品であれば、中間レギュレーションを適用することなく、高い入力電圧を直接必要なレベルまで降圧することが可能です。そうすれば、実装スペースの削減と複雑さの軽減を図ることができます。
高効率、低EMI、同期整流式降圧コンバータ MAX20402/MAX20403
これらの性能要求にこたえるのが、アナログ・デバイセズ社の降圧DC/DCコンバーターMAX20402/MAX20403です。
入力電圧範囲は3V~36V(42V tolerant)ですので車載12Vバッテリーに接続可能です。最大出力電流は2.5A(MAX20402)および3.5A(MAX20403)、3mm x 3mm QFNパッケージでMOSFET内蔵の同期整流型のため、小型でかつ高効率です。
35nsの最小オンタイム動作で2MHzのスイッチング周波数に対応するため、インダクターのサイズ・コストが削減され、さらに広帯域動作により入出力コンデンサの低容量化が可能で、システムのコスト・サイズも削減されます。
また、MAX20402/MAX20403のパッケージは対称ピン配置となっており、2MHzのスイッチング周波数および+/-6%のスプレッドスペクトラム機能と合わせることでEMIを低減し、無線干渉を最小限にすることができます。
シミュレーションモデルも提供されており、アナログ・デバイセズ社のホームページからアクセスできる無料のシミュレータ(EE-SIM)を使用し、AC特性・Transient特性を確認できます。